ETH急落、3000ドル割れで年初来マイナス｜12月の価格見通しは？

イーサリアム（ETH）の価格は16日、一時的に2900ドルを下回り、大幅な下落を記録した。

24時間での下落率は約6.6%に達し、現在の価格は2916ドル付近で推移している。

この価格変動により、心理的な節目である3000ドルを明確に下抜け、年初来のパフォーマンスはマイナス圏に転落した。

市場の動向としては、ETHをはじめとする暗号資産（仮想通貨）全体が厳しい調整局面を迎えており、投資家心理にも影響を与えている模様だ。

ロングポジション清算連鎖によるイーサリアム急落

イーサリアム価格急落の直接的な引き金となったのは、レバレッジド・ロングポジションの清算連鎖だ。

過去24時間で仮想通貨市場全体の清算額は5億ドルに達し、特にETHに関連するロングポジションでは約1億ドルが強制決済され、価格の下押しを加速させた。

この急落を裏付けるように、取引量は前日比119%増の265億ドルに急拡大し、流通時価総額の7%超を占める異常な出来高となった。これが、ベア市場の支配力強化を示している。

セッションごとの値動きを見ると、アジア時間に3150ドルまで買いが進んだが、その後欧州勢の参入で上値が重くなり、3200ドル近辺で売り圧力が顕在化。

ニューヨーク市場の本格参戦後、わずか5時間で250ドル超の急激な下落を記録する場面が展開された。

この動きは、年末の低流動性環境で増幅されやすく、過剰なロングポジションを一掃する典型的なパターンを呈している。

マクロ経済懸念とリスクオフムードがETH下押し圧力を強化

ETHの急落に加え、マクロ経済指標への警戒感が市場全体に重しをかけている。

今週は、米国の10月分非農業部門雇用統計（火曜日発表予定）や11月インフレ指標（金曜日発表予定）など、重要な経済データが発表されることから、これらの遅れたデータが市場に急激に織り込まれる可能性が高いと見られている。

特に、2026年の連邦準備制度理事会（FRB）の金利予想に影響を与えるとの観測がリスク資産全体に対する圧力となっている。

また、日本銀行の利上げ観測が再燃する中、円キャリートレードの巻き戻し懸念がリスクオフムードを助長。

これらの要因が、仮想通貨市場にもネガティブな影響を及ぼしており、ETHをはじめとするリスク資産の売り圧力が続く可能性が高い。

ETH価格が3000ドルのサポートラインを割り込んだことで、短期的な基調は下落に傾きつつある。

反発が確認されない限り、下値模索の展開が基本シナリオとなり、投資家はボラティリティの高まりを念頭に、慎重なポジション調整が求められる局面となっている。

イーサリアムの12月価格見通し：調整局面継続、2620ドル維持が反発の鍵

出典：TradingView ETH/USD 日足（2025年4月～現在まで）

イーサリアムの日足チャートを見ると、市場のセンチメントは夏場から大きく変化している。

8月後半には一時4900ドル近くまで上昇し、強気ムードが漂ったものの、その後相場は反転。

下降チャネルが形成され、価格は2600ドル付近まで調整を強いられる展開となった。

この調整局面で決定的だったのは、10月後半に発生したデッドクロスだ。

短期的なトレンドを示す20日移動平均線が、中長期的な100日移動平均線を下回ったことで、先行きに対する警戒感が広がった。

その後、高値・安値ともに切り下げる展開が続き、売り手主導の厳しい相場が続いていた。

ただし、最近の価格動向には変化の兆しが見え始めている。

これまで上値を抑えてきた20日移動平均線を突破する動きがあり、売り圧力が幾分緩んできた印象だ。

RSI（相対力指数）も40付近で推移しており、弱気なバイアスは残るものの、売られすぎゾーンからの回復が見込まれ、底打ちに向けたモメンタムの改善を示唆している。

とはいえ、今週に入ってからは再び戻り売りが優勢になっており、依然として予断を許さない状況だ。

目先の焦点は、2620ドル付近のサポートラインの強さだ。このゾーンを維持できるかが、今後のトレンドを左右する重要な分岐点となる。

もしこのサポートを守り切れば、底固めが進み、2025年末に向けて3000ドル台の回復、さらには3400ドルを目指す反発シナリオが現実的になってくる。

一方、この水準を下回って終値をつけるようなら、市場心理が一気に冷え込み、12月中には2100ドル付近までの下落リスクが高まるため、引き続き注意が必要な局面だ。

イーサリアム急落で新しい仮想通貨へ資金移動

イーサリアムが心理的な節目である3000ドルを明確に割り込み、2025年の年初来パフォーマンスがマイナス圏に沈んだことは、仮想通貨市場におけるフェーズの転換を示唆している。

しかし、市場から流動性が完全に枯渇したわけではなく、イーサリアムのようなメジャー銘柄が調整局面に喘ぐ中で、スマートマネーは新しい仮想通貨に急速に資金をローテーションさせている。

その受け皿として現在注目を集めているのが、プレセール段階で2950万ドル（約46億円）という記録的な資金調達を達成したBitcoin Hyper（HYPER）だ。

Bitcoin Hyperが投資家の熱視線を集める理由は、ETHが長年取り組んできたスケーラビリティの課題に対して、ソラナ仮想マシンという全く異なるアプローチで最適解を提示している点にある。

Bitcoin Hyperは、ビットコインの堅牢な資産価値をソラナ由来の高速処理環境で運用可能にするレイヤー2モデルを採用しており、ビットコインネットワークでのDeFi活用を新たな可能性として開拓している。

この技術的な革新性だけでなく、注目すべきはそのインセンティブ設計だ。

最大39%超に達するステーキングAPYや、CoinsultおよびSpywolfによる監査済みの透明性が、投資家に「利回り」と「信頼」の両立を提供し、不確実な市場環境における安心感を与えている。

ETHが方向感を欠き、クジラの資金移動やオンチェーンデータが新たな資金流入先を示す中、Bitcoin Hyperのような新たなプロジェクトが注目されている。

2026年に向けて、勝機は守りに入った既存銘柄にあるのではなく、技術的優位性と流動性のモメンタムを兼ね備えたプレセール市場にこそあると言えるだろう。

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