XRP、約3年ぶりに1ドル突破|年末までに5倍超えの上昇予想も

リップル(XRP)が16日、1.08ドルまで高騰し、2021年12月以来の重要な節目となる1ドルの抵抗線を突破した。
長期保有者たちで構成される「XRPアーミー」は、かつて「銀行のコイン」と揶揄した批判者たちを見返す形となった。
トランプ陣営の選挙キャンペーンが市場を一変させている。次期政権下での暗号資産(仮想通貨)フレンドリーな規制環境への期待が、仮想通貨市場全体の強気相場に火をつけた。
さらにXRPは、トランプ効果による市場のリスク選好の高まりに加え、複数の追い風要因が重なっている。
XRP急騰の理由と今後の展望:複数の強材料で上昇継続か
リップルのブラッド・ガーリングハウスCEOが、トランプ政権移行チームとの接触を表明し、市場が反応した。この情報は11月11日にワシントン・ポストが第一報を報じ、翌日にはCEO自身がX(旧Twitter)で確認している。
米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は木曜日、法律実務協会が開催する第56回証券規制年次会議で講演を実施。締めくくりの発言が退任演説を思わせる内容となった。
ゲンスラー委員長の退任観測は、リップルにとって大きな意味を持つ。未登録証券販売をめぐるSECとの訴訟が、同社に有利な形で決着する可能性が高まっている。
同氏は講演の締めくくりで、以下のように述べた。
SECとその職員について、特別な思いを伝えたい。SECは素晴らしい機関だ。職員と委員会は、投資家保護、公正で秩序ある効率的な市場の維持、資本形成の促進という使命に深くコミットしている。米国の資本市場を世界最高の水準に保つため、彼らと共に国民のための仕事ができたことは、大きな名誉だった。金融の大通りで米国の家族を守るため、日々尽力するSECの同僚たちと共に働けたことを誇りに思う。
これまでの法廷観測では、リップルに有利な和解が予想されていたが、SECが訴訟自体を取り下げる可能性が浮上している。
トランプ氏には委員長を解任する権限はないものの、議長職からの降格は可能だ。ゲンスラー氏は5人の委員の一人として残る選択肢もあるが、そうした屈辱的な状況を避け、自主的な退任を選ぶ見通しが強まっている。
14日、同氏の発言を受け、XRPの価格は急騰。投資家の期待感が一気に高まった形だ。

XRP、2024年末に5ドル到達へ
XRPは「トランプ相場」の一時的な調整を除き、本格的な上昇局面に入った。過去最高値である3.84ドル(日中高値)を突破し、年末には5ドルに到達する見通しだ。
現在の1.08ドルから5ドルまでの上昇は、277%の価格上昇に相当する。前回の最高値3.84ドルも射程圏内に入っている。

3日前に1300万XRPのバーンが実施された。これにより、XRPの需給バランスがさらに改善している。
クロスボーダー決済がXRP最大の武器
XRPは金融機関向けの流動性トークンとして、クロスボーダー取引の効率化に注力している。最近は用途が拡大しているが、決済分野が最大の強みだ。
次期トランプ政権での規制緩和により、XRPの決済ビジネスが世界規模で展開する可能性が高まる。
リップル社はステーブルコイン「RLUSD」を導入。XRPと共にRipple Payments Solutionブランドで、総合的な決済ソリューションを提供している。
規制環境の明確化により、企業の財務部門での活用に加え、中央銀行デジタル通貨(CBDC)分野でも採用が期待されている。
米アライアンス・バーンスタインは月曜日の顧客向けレポートで「可能な限り購入せよ」と強気の見方を示した。
法的不確実性から脱却したXRPは、大きな上昇余地を持つ有望銘柄として注目を集めている。ただし、リスク分散の観点から、他のデジタル資産との組み合わせも重要だ。