SEC委員、プライバシーの重要性を強調｜新しい仮想通貨規制の行方は

米証券取引委員会（SEC）のヘスター・ピアース委員は30日、ポッドキャスト番組に出演し、暗号資産（仮想通貨）の自己管理や金融取引におけるプライバシーの重要性について改めて強調した。

ピアース氏は「ザ・ロールアップ（The Rollup）」で、「私は自由至上主義者だ」と述べ、資産を自ら管理する権利は基本的人権に近いものだとの考えを示した。

さらに、オンライン上の金融プライバシーは本来“標準”であるべきだと指摘。取引の匿名性が不正疑惑として扱われる現状は、本質から外れていると問題視した。

停滞する米国の仮想通貨規制整備とその背景

ピアース委員の発言の背景には、仮想通貨市場の構造改革を目指す法案審議の停滞がある。

ティム・スコット上院議員は、自己管理やマネーロンダリング対策、資産分類などを盛り込んだデジタル資産市場構造明確化法について、審議延期の可能性を示唆している。

この法案は、米国の仮想通貨規制の枠組みを整理するうえで重要な位置づけにある。ピアース氏の発言は、規制整備が進まない中でユーザーの権利を守る必要性を強調したものといえる。

またSECは12月に、プライバシーと金融監視をテーマにした円卓会議を開催する予定で、規制当局と業界関係者がイノベーションとコンプライアンスの両立について議論する見通しだ。

ビットコイン現物ETF普及で揺らぐ「自己管理」の原則

一方、ビットコイン現物ETFの登場により、市場環境は大きく変わりつつある。多くの大口投資家や長期保有者は、税制メリットや管理負担の軽減を理由に、自己管理からETFへの移行を進めている。

資産運用大手アポロのリサーチ責任者マーティン・ヒースボック氏は、「過去15年間で初めて自己管理されるビットコイン（BTC）が減少している」と指摘。その背景には、SECが現物ETFの設定と償還を承認し、課税イベントなしでETFシェアに交換できる仕組みを整えたことがあると説明した。

同氏は、「秘密鍵を持たざる者はコインを持たず」という原則からの乖離は、ビットコインの精神にとって大きな転換点だと懸念を示している。

著名アナリストのプランB氏も秘密鍵管理の負担を避けるため、保有するビットコインをETFへ移したと明かした。

第三者による資産管理がビットコインの理念と矛盾するとの見解から、コミュニティでは議論が広がっている。

ETFが新たな運用手段として普及する中、投資家は自己管理のリスクとETFの利便性を比較し、自身の戦略に適した選択が求められる。

次世代型の新しい仮想通貨ウォレットの需要拡大

こうした市場環境の変化の中で、ETFの利便性に対抗し得る高度な機能を備えた自己管理型ウォレットへの需要が急速に高まっている。

特に、新しい仮想通貨の台頭によって投資手法が多様化するにつれ、資産管理のあり方にも変革が求められている。

中央集権型取引所でハッキング事例が相次ぐなか、資産を自ら管理しつつDeFiの利点を活用したい投資家が増えていることが背景だ。

その代表例として注目を集めているのが、Best Walletおよびその基盤となるBest Wallet Token（BEST）だ。

Best Walletはユーザー自身が秘密鍵を管理する非カストディ型でありながら、1000種類以上の仮想通貨と60以上のブロックチェーンに対応した包括的プラットフォームとして設計されている。

特筆すべきは、セキュリティと利便性の高度な両立だ。機関投資家レベルのMPC技術を採用することで、自己管理に伴う複雑さを解消しつつ高い安全性を確保している。

エコシステムの中核であるBESTトークンを保有することで、取引手数料の割引や有望なプレセールへの優先アクセスが得られるほか、ステーキングによる高い年間利回りも享受できる。単なる資産管理ツールを超え、運用面でも魅力を備えた構造だ。

BESTトークンは28日、MEXCとKuCoinといった主要取引所へ上場したばかりで、今後はバイナンスやコインベースが次の候補になるとの観測も出ている。

ETFの広がりによって中央集権化が進む流れの中で、Best Walletがどのように市場で存在感を高めていくのか、その動向に注目が集まる。

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