DBSとシティ、週末に米ドルの国際送金を実施|数分で完了

シンガポールの大手銀行DBSと米国の金融大手シティグループは7日、週末に米ドルの国際送金を実施したと明らかにした。
取引はシンガポールとニューヨークの間で5日に完了し、トークン化預金とSwiftのデジタル台帳を通じて数分で決済された。週末をまたぐ米ドルの国際送金としては初となる。
2営業日から数分へ縮んだ決済
両行の発表によると、送金はDBSとシティのニューヨーク拠点の間で行われた。国際送金は最大2営業日を要してきたため、時差と週末の空白がそのまま資金の受け渡しを遅らせていた。
想定される利用先は、電子商取引やデジタルサービスのように24時間動く業種となる。仕入れ先や顧客への入金が早まるほか、企業の財務担当者は市場の変化に合わせて拠点や市場をまたぐ資金を動かせる。
DBSの調査では、財務責任者の50%が流動性と為替リスクの管理にブロックチェーンを使う手段を検討していると答えた。アジア発の国際送金額は2025年の13兆5000億ドルから、2033年に24兆ドルへ拡大するとの予測がある。
トークン化預金が実験から実務へ
DBSのレイチェル・チュー最高執行責任者は、トークン化されたマネーが実験から実務へ移りつつあると述べた。同氏はSwiftのデジタル台帳が従来の銀行インフラと新しいデジタル網をつなぐ役割を担うとも説明している。
シティのムリドゥラ・アイヤー・アジア南部サービス責任者は、週末に実取引を通したことで常時稼働の国際送金がすでに現実になったと語った。同社は従来の資金管理と証券の機能を、トークン化された基盤へ寄せる方針を示している。
24時間止まらない決済は、暗号資産(仮想通貨)の側が先に手にしてきた領域となる。USDTの買い方が個人にも広く知られるように、ステーブルコインは休日でも資金を運んでいる。
企業間の資金移動でも、USDTウォレットを介したテザー(USDT)のやり取りが先行してきた。銀行の側は預金そのものをトークン化することで、規制の枠内で同じ速度に近づく形となる。
DBSは2024年にDBS Token Servicesを立ち上げ、許可型ブロックチェーンを使う財務・流動性管理の仕組みを提供してきた。Swiftのデジタル台帳の設計を担う12行の中核グループでは、アジアに本社を置く唯一の銀行となる。