仮想通貨の分離課税はいつから?法改正の可能性と注目ポイント

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仮想通貨ライター
監修
編集者/ライター
Hiroshi OnoVerified
Part of the Team Since
Dec 2023
筆者について

埼玉県出身。2018年に仮想通貨投資を開始し、NFTへの投資経験も持つ。20年からは個人ブロガーとして活動し、400近い記事を執筆。23年よりライターとしてのキャリアをスタートし、23年12月、Crypto...

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暗号資産(仮想通貨)の税制改正に関する議論が、今まさに大きな山場を迎えています。

現在は「雑所得」として最大55%の重い税金が課されていますが、早ければ2026年にも「申告分離課税」へ移行する可能性が高まってきました。

もし分離課税が実現すれば、税率は一律20.315%に固定。税負担が大幅に軽くなり、確定申告の手間も軽減されることで、より投資しやすい環境が整うと期待されています。

そこで本記事では、仮想通貨の税制改正および分離課税がいつから始まるのか、最新のスケジュール予測やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。今後の制度変更に備えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

本記事の要約
  • 仮想通貨の利益は現在「雑所得」として総合課税の対象となり、所得に応じて最大55%の高い税率。
  • 申告分離課税が導入されれば、仮想通貨の利益に対する税率は株やFXと同様に一律20.315%となる。
  • 分離課税が実現すれば、損益通算や損失の繰越控除が可能になる見込み。
  • 税制の明確化により、仮想通貨市場への新規参入者が増え、市場の活性化やETFなど新たな金融商品の開発促進が期待。
  • 早ければ2026年から適用される可能性があり、法改正や制度整備の動向に注目が集まっている。
Table of Contents
  1. 目次
    1. 仮想通貨の税制は「総合課税」が基本
    2. 最大55%の課税負担が発生する理由と具体例
    1. 申告分離課税とは?株式やFXとの違い
    2. 仮想通貨に申告分離課税が導入された場合、仮想通貨の税率はいくらになる?
    1. メリット①:所得が少ない人は税負担が増える可能性も
    2. メリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク
    3. メリット③:仮想通貨税制の明確化により市場参入のハードルが下がる
    4. デメリット①:低所得者層は逆に税負担が増える可能性
    5. デメリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク
    6. デメリット③:税務申告や管理の手間は依然として残る
    1. 2025年末の議論で加速した法改正の動き
    2. 2026年の国会審議と最短の施行時期
    1. ①:新たな投資家層が参入しやすくなる
    2. ②:仮想通貨ETFや新金融商品の普及が進む可能性
    3. ③:確定申告の簡略化でハードルが大きく下がる
  1. 目次
    1. 仮想通貨の税制は「総合課税」が基本
    2. 最大55%の課税負担が発生する理由と具体例
    1. 申告分離課税とは?株式やFXとの違い
    2. 仮想通貨に申告分離課税が導入された場合、仮想通貨の税率はいくらになる?
  2. 目次を開く
    1. メリット①:所得が少ない人は税負担が増える可能性も
    2. メリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク
    3. メリット③:仮想通貨税制の明確化により市場参入のハードルが下がる
    4. デメリット①:低所得者層は逆に税負担が増える可能性
    5. デメリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク
    6. デメリット③:税務申告や管理の手間は依然として残る
    1. 2025年末の議論で加速した法改正の動き
    2. 2026年の国会審議と最短の施行時期
    1. ①:新たな投資家層が参入しやすくなる
    2. ②:仮想通貨ETFや新金融商品の普及が進む可能性
    3. ③:確定申告の簡略化でハードルが大きく下がる

仮想通貨の税制改正に関する最新ニュース


2025年末、政府・与党内で仮想通貨の所得に対し、株式と同様の「20%の申告分離課税」を適用する方向での調整が大きく進展しました。これまで金融庁はビットコインなどを「金融商品」と位置付ける方針を固めてきましたが、そこからさらに一歩踏み込んだ形です。

2026年度以降の税制改正大綱への明記、そして法案提出に向けた最終的な協議の行方に注目が集まっています。

税制改正による変更点(検討案)を以下の表にまとめました。

項目 現行(~2025年) 改正案(2026年以降~)
区分 雑所得(総合課税) 申告分離課税
税率 最大55% 一律 約20%
損益通算 不可 可能(株式等との連携検討)
損失繰越 不可 3年間可能(要望ベース)

なお、直近の動きと今後の焦点は以下のとおりです。

  • 2025年11月: 金融庁が仮想通貨を「金融商品」と位置付ける方針へ転換
  • 2025年12月: 与党税制調査会にて、分離課税導入を「2026年度税制改正大綱」に盛り込む方向で調整中

今回の大綱に明記されれば、2026年の通常国会での法案提出・成立が現実味を帯びてきます。

現行の仮想通貨税制とは?なぜ「雑所得」扱いなのか


現在、日本の仮想通貨取引に関する税制では、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨による税金は「雑所得」として分類されています。

この雑所得は、株やFXとは異なり「総合課税」という枠組みで課税されるのが特徴です。

仮想通貨の税制は「総合課税」が基本

総合課税とは、給与所得や事業所得など他の所得と合算して、累進課税(所得が多いほど税率が上がる仕組み)が適用される制度です。

この総合課税の下では、所得税と住民税が合算されるため、税率は最低でも15%(所得税5%+住民税10%)からスタートし、最大で55%(所得税45%+住民税10%)に達します。

特に、年収や本業の給与が高い人ほど、仮想通貨の利益に対しても高い税率がかかる仕組みとなっています。

最大55%の課税負担が発生する理由と具体例

では実際に、どのようなケースで最大55%の税負担が発生するのかを見てみましょう。

たとえば、会社員として年収400万円を得ている人が、副業として仮想通貨取引で300万円の利益を得たとします。この場合、合計所得は700万円となり、以下のように課税されます。

所得税の計算
  • 700万円 × 23% - 63万6,000円 = 約97万4,000円(所得税)
住民税の計算
  • 700万円 × 10% = 70万円(住民税)
合計の計算
  • 所得税(約97.4万円)+住民税(70万円)=合計167.4万円

このように、仮想通貨やミームコインの利益が高額になるほど、他の所得と合算されて課税されるため、実質的に数十%の税金が発生します。特に所得が高い人にとっては、最大で55%の仮想通貨の税率が適用される可能性があり、利益をすべて手元に残せるわけではありません。

また、仮想通貨の税制では損失の繰越控除や損益通算が認められていない点も問題視されています。つまり、前年に損をしていても、翌年の利益と相殺することができず、毎年の利益ごとに税金を払わなければならないという不利な状況です。

仮想通貨税金のシミュレーションは以下です。

課税所得額 税率 住民税 合計税率
195万円以下 5% +10% 約15%
195万円超~330万円以下 10% +10% 約20%
330万円超~695万円以下 20% +10% 約30%
695万円超~900万円以下 23% +10% 約33%
900万円超~1800万円以下 33% +10% 約43%
1800万円超~4000万円以下 40% +10% 約50%
4000万円超 45% +10% 最大55%

仮想通貨は申告分離課税になるとどう変わる?基本知識を解説


転がっている複数のビットコイン

申告分離課税が仮想通貨に導入されれば、投資家にとって仮想通貨の税金制度が大きく変わるだけでなく、市場全体にもさまざまな影響が広がると予想されています。

税率の明確化や制度の整備により、これまで仮想通貨に慎重だった層の参入が進み、投資商品としての信頼性も高まるでしょう。

仮想通貨の税率が改正され、税率が引き下げられることにより、仮想通貨の普及がますます進むことが見込まれます。

ここでは、仮想通貨税金の制度改正によって期待される新しい仮想通貨市場の主な変化について解説。仮想通貨に申告分離課税が導入される可能性を知りたい方は最後までご覧ください。

申告分離課税とは?株式やFXとの違い

「申告分離課税(しんこくぶんりかぜい)」とは、特定の所得を他の所得と合算せず、独立して税率を適用する課税方式です。文字通り、「申告」と「課税」が分離して行われるため、全体の所得額に関わらず一定の税率で課税されるのが最大の特徴です。

この制度はすでに、株式投資やFX取引、先物取引などに適用されています。

比較項目 総合課税 申告分離課税
所得の扱い 他の所得と合算して計算 他の所得と切り離して計算
税率 累進課税(最大55%) 一律20.315%(予定)
対象例 給与、仮想通貨(現状) 株式、FX(今後の仮想通貨)
損益通算 制限あり(他所得と相殺不可) 同一分類内で通算可能
損失繰越 不可 最大3年繰越可能(予定)

仮想通貨がこの申告分離課税に移行すれば、株やFXと同様の扱いになり、仮想通貨税金の計算がシンプルで明確になります。

また、利益が多い人でも税率が上がらないため、税負担の見通しが立てやすくなるのも大きな利点です。

仮想通貨に申告分離課税が導入された場合、仮想通貨の税率はいくらになる?

現在の議論や与党・業界団体の要望を見る限り、仮想通貨やエアドロップに申告分離課税が適用された場合、一律20.315%の税率が想定されています。

これは、すでに株式やFXに適用されている税率と同じ構成です。

申告分離課税の内訳(予定)

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:0.315%
  • 合計:20.315%

たとえば、仮想通貨取引で100万円の利益を得た場合、計算は以下のとおりです。

計算
  • 100万円 × 20.315% = 203,150円

つまり、どれだけ仮想通貨で利益を得ても、課税額は一律20.315%で計算されます。

一方で、所得が少ない人にとっては負担が重くなる可能性もあります(たとえば、現行の税制では税率5〜10%に収まっていた人が20%課税される)。この点は次の「メリット・デメリット」にて詳しく解説します。

仮想通貨の分離課税導入によるメリット・デメリット


メリット

  • 税率が一律になり、税負担の予測がしやすくなる
  • 損益通算や損失繰越が可能になる可能性
  • 税制の明確化により市場参入のハードルが下がる

デメリット

  • 低所得者層は逆に税負担が増える可能性
  • 他の所得との仮想通貨の損益通算ができなくなる
  • 税務申告や管理の手間は依然として残る

メリット①:所得が少ない人は税負担が増える可能性も

申告分離課税が導入されれば、仮想通貨の利益に対する税率は一律20.315%に固定されます。これにより、所得額に関わらず税率が一定となるため、事前に納税額を把握しやすく、投資戦略や資金計画を立てやすくなります。

とくに高所得層にとっては、現行制度より大幅に税負担が軽減されます。

メリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク

現在は雑所得扱いのため、他の所得との損益通算や、損失の翌年繰越ができません。

しかし、申告分離課税の対象となれば、株式やFXと同様に、同じ所得区分内での損益通算や、最大3年間の損失繰越が可能になる見込み。これにより長期的な運用がしやすくなります。

メリット③:仮想通貨税制の明確化により市場参入のハードルが下がる

仮想通貨取引にかかる税制が明確で公平なものになることで、新規投資家や企業の参入が増えると期待されます。

特に従来、税制の複雑さに不安を抱えていた初心者にとって、参入障壁が下がり、市場全体の流動性と活性化につながる効果が期待されます。

デメリット①:低所得者層は逆に税負担が増える可能性

現在の総合課税では、所得が少ない人は所得税5%+住民税10%=合計15%程度で済むケースもあります。

しかし、申告分離課税により一律20.315%が適用されると、こうした低所得者層の実質的な税負担が増える可能性があります。すべての人にとって有利とは限りません。

デメリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク

申告分離課税が導入されると、仮想通貨取引による損失は、不動産所得や事業所得など他の総合課税の所得とは通算できなくなります。

仮想通貨で損失が出ても、事業所得の利益と相殺して節税することはできなくなり、節税の選択肢が狭まることになります。

デメリット③:税務申告や管理の手間は依然として残る

税率が一律になっても、仮想通貨取引の記録・損益計算は依然として複雑です。複数の取引所やウォレットを利用している場合は、自分で正確に計算・申告する必要があり、簡略化されるとは限りません。

頻繁な取引を行う投資家にとっては、申告の手間が残る点が課題です。

仮想通貨の分離課税・税金20パーセントはいつから?制度改革のスケジュール予測


側から人をみる日本人男性

ビットコインの税金は、「売ったとき」や「使ったとき」など、利益が確定したタイミング(譲渡時)で発生します。では、今後分離課税が導入される場合、いつから適用されるのでしょうか。

2025年末の議論で加速した法改正の動き

2025年12月、政府・与党内で仮想通貨投資への申告分離課税導入に向けた議論が大きく進展しました。これまでの「雑所得」扱いから、株式等と同様の「金融商品」として明確に位置づける方向性が固まりつつあります。

議論されている主な要点
  • 「暗号資産」を資産形成に資する金融商品として法的に再定義
  • 分離課税(20%)導入に向けた環境整備(取引所の報告義務など)
  • 投資家保護を強化するための金融商品取引法改正とのセット議論
  • 業界団体の要望(損失繰越、非課税交換など)の反映

今回の議論では、単なる税率変更だけでなく、取引業者による納税環境の整備や投資家保護の観点も合わせて検討されており、実現に向けた基盤が整いつつある状況です。

2026年の国会審議と最短の施行時期

新税制を実現するには、2026年の通常国会での関連法案(所得税法や資金決済法など)の改正が不可欠です。

仮に2026年中に法案が成立した場合でも、税務署や交換業者のシステム対応期間が必要となるため、実際の適用開始は「最短で2027年1月」となる見方が有力です。

仮想通貨税制の改正スケジュール(予測モデル)は以下のとおり。

ステップ 内容 時期(予測)
大綱策定 2026年度税制改正の方針決定 2025年12月
国会審議 改正法案の審議・可決 2026年1月〜6月
制度周知 取引所や投資家への周知・システム改修 2026年後半
施行開始 新税制(分離課税)の適用開始 最短で2027年1月1日〜

こうした枠組みが整えば、仮想通貨が名実ともに「金融資産」として認められ、申告分離課税の対象となります。

ただし、制度設計の複雑さや技術的な課題(DeFiの扱いなど)も残るため、議論の進捗次第ではスケジュールが後ろ倒しになる可能性もあります。

仮想通貨の制度改正が実現すれば、市場はどう変わる?


天秤に掛けられているカラフルなコイン

税制のわかりやすさは、そのまま市場参加者の拡大につながります。今後の日本の仮想通貨市場の変化予想は以下です。

  • 新たな投資家層が参入しやすくなる
  • 仮想通貨ETFや新金融商品の普及が進む可能性
  • 確定申告の簡略化でハードルが大きく下がる

①:新たな投資家層が参入しやすくなる

仮想通貨に申告分離課税が導入されれば、「税金がいくらかかるか分からない」という最大の不安要素が取り除かれます。

とくに、これまで株やFXで資産運用してきた投資家にとって、仮想通貨との税制ギャップがなくなることで、参入の心理的ハードルが大幅に下がります。想定される参入層は以下です。

  • 株式・FX投資経験者(退職世代・30〜50代の資産運用層)
  • 会社員や副業トレーダー層(仮想通貨の確定申告を避けていた層)
  • 長期保有を検討していた初心者層

②:仮想通貨ETFや新金融商品の普及が進む可能性

仮想通貨の分離課税が実現すれば、「仮想通貨=金融資産」としての信頼性が一気に高まります。

その結果、投資信託やETF(上場投資信託)といった新たな商品開発が本格化すると考えられています。期待される新商品としては、例えば以下が考えれます。

  • 日本版ビットコインETF・イーサリアムETF
  • 仮想通貨インデックス連動型投資信託
  • ブロックチェーン関連企業に分散投資できる金融商品など

③:確定申告の簡略化でハードルが大きく下がる

現在の総合課税では、仮想通貨ごとの損益計算や、他の所得との合算、税率適用の確認などが非常に複雑です。実際に仮想通貨税金の抜け道を探す投資家も多いはず。

しかし、分離課税に移行すれば「利益×一律20.315%」の計算で済むため、確定申告の手間が大幅に軽減されます。分離課税導入で期待される変化は主に以下です。

  • 一律課税により計算ルールが単純化
  • 取引所の「年間損益報告書」だけで申告が可能性も
  • 初心者もセルフ申告しやすくなり、納税率の向上も期待

まとめ


本記事では仮想通貨の分離課税について解説してきました。仮想通貨における申告分離課税の導入とは、株式やFXと同じく、利益に対して一律20.315%の税率を適用する制度のこと。

これにより、税率の予測がしやすくなり、損益通算や損失繰越も可能になる可能性があります。

分離課税制度の本格導入は早ければ2027年からと見込まれており、今後の国会審議や税制整備の動向に注目が集まっています。

ぜひ本記事を参考に、今後の仮想通貨の税制改正に備えた資産運用の見直しや、仮想通貨取引における戦略設計を始めてみてください。

仮想通貨の分離課税に関する質問


Q1.分離課税になると、仮想通貨の税金はどう変わるの?

Q2.申告分離課税はいつから適用される予定ですか?

Q3.分離課税になったら、損失繰越や損益通算はできるようになる?

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