仮想通貨XRPのETF実現へ｜Bitwiseが信託設立

資産運用会社のBitwiseは9月30日、デラウェア州法人局にXRP取引所上場投資信託（ETF）の信託登録を行った。

この動きは、暗号資産（仮想通貨）XRPのETF実現に向けた重要なステップとなる可能性がある。

XRP ETF実現への第一歩

Bitwiseによる今回の登録は、デラウェア州で法的に認められているビジネス向け信託の設立を含む。

これは、ビットコイン（BTC）やイーサリアム（ETH）のETFを申請する前に、Bitwise、BlackRock、Fidelityなどの企業が行った手順と同様だ。

信託登録は、ETFの上場・取引申請に向けた初期段階として位置付けられる。XRPは、リップル社が開発した仮想通貨で、国際送金などの用途で注目を集めている。

リップル訴訟和解がXRP ETFへの道を開く

先月、仮想通貨投資会社のGrayscaleがXRPトラスト投資商品の立ち上げ計画を明らかにした。将来的にはこれをXRP ETFに転換する可能性も示唆している。

2021年、Grayscaleは米証券取引委員会（SEC）がリップル社を提訴したことを受け、既存のXRPトラストを閉鎖せざるを得なかった。SECは当時、リップル社がXRPを未登録証券として販売したと主張していた。

しかし、この法的紛争は今年初めに終結し、リップル社は2億ドルでSECと和解した。

これにより、XRPの規制上の位置づけが明確になり、米国の取引所がXRPを再上場する道が開かれた。また、Grayscaleなどの企業がXRP関連の投資商品を開発する機会も生まれている。

XRP ETF実現への課題と展望

XRP ETFの実現には、SEC規制への準拠が不可欠だ。SECは仮想通貨ETFに対して慎重な姿勢を示しており、特にXRPの証券分類をめぐる過去の争いを考慮すると、承認までの道のりは平坦ではない可能性がある。

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは2月、XRP ETFへの支持を表明した。「投資家にとって分散投資の観点から理にかなっている」と述べ、仮想通貨市場の発展とともに、多様なETFが登場する可能性を示唆した。

XRP ETFの実現には依然として不確実性が伴うものの、Bitwiseによる今回の動きは、仮想通貨市場の成熟と制度化への一歩として注目される。

投資家や市場関係者は、SECの動向と共に、XRP ETFの行方を注視していくことになるだろう。