アラブ首長国連邦で仮想通貨取引が非課税に|VAT規制を改正

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暗号資産ジャーナリスト
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アラブ首長国連邦(UAE)の連邦税務局は2日、付加価値税(VAT)に関する行政規則の改正版を公表した。この改正は2024年11月15日から施行される予定だ。

今回の改正は、主要な規定や手続きの明確化、詳細化を図るとともに、以前の法令改正との整合性を高めることを目的としている。

主な改正点:仮想通貨取引の免税化と投資ファンド管理の非課税化

今回の改正で最も注目すべき点は、暗号資産(仮想通貨)関連の取引が免税対象となったことだ。

具体的には、仮想通貨の所有権移転や仮想通貨の換金が非課税取引として扱われる。この改正は2018年1月1日にさかのぼって適用される。

また、投資ファンドの管理業務も非課税対象となった。これは、UAEの管轄当局によってライセンスを受けたファンドの運用者が、独立して対価を得て提供するサービスを指す。

ファンドの運営管理、投資管理、パフォーマンスのモニタリングと改善などが含まれる。

輸出関連規定の緩和と複合取引の取り扱い

輸出に関する規定も緩和された。物品の輸出にゼロ税率を適用するための書類要件が簡素化され、輸出業者は以下のいずれかの書類を保持すればよいことになった。

  • 税関申告書と輸出を証明する商業的証拠
  • 船荷証券と輸出を証明する公的証拠
  • 関税の一時停止を証明する税関申告書(関税一時停止の場合)

さらに、複数の要素を含む単一の複合取引の取り扱いについても明確化された。主要な構成要素がない場合、取引全体の性質に基づいてVAT処理を行うことが規定された。

UAE企業への影響と今後の展望

この改正は、UAE国内の企業に広範な影響を与える可能性がある。特に、仮想通貨関連企業や投資ファンド管理会社は、自社のVAT申告状況を見直し、必要に応じて過去の申告を修正する必要がある。

また、輸出業者にとっては、ゼロ税率適用の要件が緩和されたことで、事務負担の軽減が期待できる。一方で、複合取引を行う企業は、取引の性質に基づくVAT処理の再検討が必要となるだろう。

UAE政府のこの動きは、同国が仮想通貨やブロックチェーン技術の導入に前向きな姿勢を示していることの表れと言える。今後、UAEが中東地域における仮想通貨ハブとしての地位を強化していく可能性が高い。

日本を含む他国の企業や投資家にとっては、UAEの税制改革が新たなビジネスチャンスを生み出す可能性がある。特に、仮想通貨関連事業や投資ファンド管理業務においてUAEの魅力が高まることが予想される。

企業は今後の動向を注視し、新たな事業機会の探索や既存ビジネスの最適化を検討する必要がある。

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