SEC、プルーフオブワーク採掘は米国証券法に該当せずと明言

仮想通貨規制
暗号資産ライター
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米国証券取引委員会(SEC)は20日、プルーフオブワーク(PoW)方式の採掘活動は米国証券法における証券の提供・販売に該当しないとの見解を明らかにした。

この判断はビットコイン(BTC)などPoWコンセンサスメカニズムを採用する暗号資産(仮想通貨)のパブリックで許可不要なネットワークに参加するマイナーに適用される。

SECの企業財務部門によれば、採掘活動はネットワークの安全性確保と計算リソースを通じた取引の検証に焦点を当てており、マイニングを行う人はネットワークのプロトコルに従って仮想通貨の報酬を獲得していると指摘。

ハウイテストに基づく判断

SECの決定は、資産が証券に該当するかを判断するための最高裁判所のケースである「ハウイテスト」に基づいている。ハウイテストによれば、投資が証券とみなされるには、他者の努力から利益を得ることを期待して共同事業に金銭を投資することが必要とされる。

SECはマイナーが自らのリソースを提供し、他者の努力から利益を得るわけではないため、証券としての基準を満たさないと結論付けた。

また、ドナルド・トランプ大統領率いる現政権の新しい仮想通貨に対する前向きな姿勢も規制アプローチに影響を与えた可能性がある。これは米国をブロックチェーンとデジタル資産のハブとして確立することを目指すものとされる。

マイニング業界への影響と意義

この見解は米国のマイニング業界に法的確実性を提供するもので、マイナーやマイニングプールが証券規制に従わずに運営できることを意味する。これにより、採掘活動は登録要件の対象外となり、証券の適用除外にも該当しないことが明確になった。

今回の決定は個人のマイナーだけでなく、取引を検証して報酬を獲得する可能性を高めるためにリソースを結集するマイニングプールにも適用される。また、この判断は商品先物取引委員会(CFTC)がビットコインなどの資産を証券ではなく商品として分類していることとも整合性がある。

米国の仮想通貨規制の方向性

SECの明確な立場表明は、米国の仮想通貨業界に対する規制環境がより明確になりつつあることを示している。特にプルーフオブワーク方式を採用する仮想通貨に関わる事業者にとって、法的リスクが軽減され、より安定した事業展開が可能になると考えられる。

一方で、この判断はあくまでPoW方式の採掘活動に限定されたものであり、プルーフオブステーク(PoS)などの他のコンセンサスメカニズムについては言及がない。今後、他の方式についても同様の明確化が行われるかが注目される。

米国政府の仮想通貨に対するアプローチは、業界の成長を促進しながらも投資家保護のバランスを取る方向に進んでおり、引き続き規制の枠組みが整備されていくことが予想される。このような明確な規制指針は、仮想通貨業界全体の成熟と安定に寄与する可能性が高い。

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