ディセントのロゴ D'CENT Wallet

おすすめポイント
  • 生体認証による指紋ログインで秘密鍵をオフラインに保つ
  • モバイルアプリには内蔵DEXとdAppsが含まれる
  • サブスクリプション料不要の手頃なハードウェア
総合評価
9.5 /10.0
機能とインターフェース
9.5
対応通貨と取引ペア
9.5
安全性機能
9.5
Hideaki S.
監修 Hiroshi Ono
最終更新日
1分で読める
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D’CENTウォレットは、2018年に登場した生体認証対応ハードウェアウォレット。軍事レベルのセキュリティ、数千のトークン対応、Web3探索用のモバイルアプリを備えています。

本記事では、D’CENT WalletがLedgerやTrezorといった主要なコールドウォレットと肩を並べる存在かどうか検証します。

D’CENTウォレットを網羅的に解説するので、ハードウェアウォレットをお探しの方は最後までご覧ください。

D’CENTウォレットのレビューまとめ

ディセントウォレットD’CENTウォレットは、軍事レベルのセキュリティと、85以上のブロックチェーン、4500種類以上の暗号資産(仮想通貨)をサポートしているのが特徴です。

指紋認証によるオフラインでの取引署名は、利便性と安全性を両立しています。

付属のモバイルアプリは、Web3の探索、分散型取引所(DEX)での取引、ポートフォリオ管理など多機能を備え、ユーザーフレンドリーな設計が魅力です。

メリット

  • 4500超の仮想通貨に対応
  • 改ざん防止チップで安全
  • 指紋認証で取引が便利
  • Web3対応の使いやすいアプリ
  • 安価で月額費用なし

デメリット

  • 限られたサポート
  • デスクトップアプリなし

D’CENTウォレットレビューの主なポイント

D’CENTウォレットが、セキュリティや使いやすさなどの主要な機能で、どのように評価されているかを以下の表のとおりまとめました。

下記表を見ると、セキュリティ・ストレージ・使いやすさの項目で高い評価を得ていることがわかります。

評価項目 評価 コメント
セキュリティ ★★★★★ 改ざん防止機能を備えた認定CC EAL5+を使用。秘密鍵は完全にオフラインで保持。
取扱通貨 ★★★★☆ 85以上のブロックチェーンで4500以上のトークンをサポート。
ストレージ ★★★★★ 生体認証ウォレット、カードウォレット、D’CENTモバイルアプリを提供。
統合性 ★★★★☆ 内蔵DEX、Wallet Connectとメタマスクのサポート、および利用可能なWeb3 dAppsのライブラリ。
サポート ★★★☆☆ ファームウェアアップデートが含まれ、カスタマーサポートは限られた時間内にメールでのみ利用可能。
使いやすさ ★★★★★ 指紋認証で暗号取引を承認および署名。コールドストレージとホットストレージ間でトークンを簡単に移動。
価格設定 ★★★★☆ 割引が利用できる比較的安価なデバイス、サブスクリプション料は不要 。

D’CENTウォレットとは?

ディセントホームページ

D’CENTウォレットは、2018年に韓国のサイバーセキュリティ企業IoTrustが設立した仮想通貨ウォレットおすすめサービス。現在、世界で70万人以上のユーザーを持つ人気のハードウェアウォレットプロバイダーです。

D’CENTは、以下の2つの非管理型ハードウェアウォレットを提供しています。

これらのウォレットは、仮想通貨の取引や非代替性トークン(NFT)などに対応したD’CENT Walletのモバイルアプリと連携して使用されます。

D’CENT Walletは非管理型。秘密鍵へのアクセス権はユーザーのみにあり、資金は完全に個人の管理下に置かれます。また、KYC(本人確認)不要なため、匿名での利用が可能です。

D’CENTはハードウェアウォレットを持たないユーザー向けに、モバイルアプリを通じて無料のソフトウェアウォレットも提供。幅広いユーザーがWeb3の世界に安全にアクセスできます。

D’CENT ウォレットの対応コイン

ディセント 対応通貨

D’CENTウォレットは、78以上のブロックチェーンと、草コインなど4500種類以上の仮想通貨に対応しています。

D’CENT Walletの幅広い対応通貨には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、BNBスマートチェーン(BSC)といった主要銘柄に加え、以下のブロックチェーンもサポートしています。

  • ドージコイン(DOGE)
  • ソラナ(SOL)
  • カルダノ(ADA)
  • トロン(TRX)
  • コスモス(ATOM)
  • ファイルコイン(FIL)
  • アルゴランド(ALGO)

すべてのイーサリアム仮想マシン(EVM)互換ネットワークとトークンにも対応。テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などの主要ステーブルコインも取引可能です。

D’CENT Walletのモバイルアプリには39のブロックチェーンに対応したトークンスワップ機能も組み込まれています。

もし、対応していないEVM互換トークンがあっても、カスタムトークンとして手動で追加できます。

また、新しい仮想通貨のサポートリクエストも受け付けているため、ユーザーのニーズに柔軟に対応できる体制を整えています。

D’CENT Walletの主な機能

D’CENTウォレットは、以下の多様な機能を有しています。

  • 生体認証ウォレット
  • カードウォレット
  • ソフトウェアウォレット
  • 内蔵DEX
  • 「Tap That Drop」報酬
  • 暗号ポートフォリオ管理
  • Web3統合

以下、詳しく見ていきます。

生体認証ウォレット

生体認証ウォレット

D’CENT Walletの主力製品である生体認証ウォレットは、指紋認証で仮想通貨を保護するハードウェアコールドウォレットです。

世界初の生体認証機能を搭載。指紋スキャナーをタップするだけでウォレットのロック解除やオフラインでの取引署名が可能です。

パスワードを覚える必要がなく、万一ウォレットを紛失しても、指紋認証か24単語のシードフレーズがなければ資産にアクセスできないため安全。BluetoothまたはUSB-Cでアプリに接続でき、最大80のウォレットアカウントをサポートします。

カードウォレット

カードウォレット

D’CENTカードウォレットは、クレジットカードのように薄く、持ち運びに便利なハードウェアウォレット。生体認証ウォレットと同等のセキュリティチップを搭載しており、NFCでモバイルアプリと連携して資産を管理できます。

カードウォレットの特徴は、バックアップカードが1枚付属している点。万が一、元のカードを紛失したり盗まれたりした場合でも、バックアップがあれば安心です。

ソフトウェアウォレット

D’CENT Walletは、iOSとAndroid用のモバイルアプリを中心に提供。アプリは、単体で無料のソフトウェアウォレットとしても機能します。

ハードウェアウォレットと組み合わせれば、D’CENT Walletは、トークンの転送やスワップ、ステーキング、dApps利用などがシームレスに行えます。

アプリ内のソフトウェアウォレットもセキュリティを重視。24単語のシードフレーズやPINコードに加え、Face IDでのロック解除にも対応しています。

内蔵DEX

D’CENTウォレットのモバイルアプリには、4500以上の仮想通貨に対応したDEXが内蔵されています。

DEXは、Changelly、ChangeNOW、OKXの3社が流動性を提供。常に最適なレートでの取引が可能です。最小1ドル相当の少額からのスワップにも対応しています。

スワップ手数料はD’CENT Walletからは請求されませんが、流動性プロバイダーとブロックチェーン手数料は別途かかります。スワップ時のスリッページ許容幅は0.01%から50%まで調整可能。ユーザーは取引コストを自身で管理できます。

「Tap That Drop」報酬

タップザットドロップ

D’CENTモバイルアプリ内の「Tap That Drop」は、新しい仮想通貨と提携してユーザーにトークンを紹介する報酬キャンペーン。ユーザーは無料でトークンを受け取ることができます。

このキャンペーンは好評。最初のSkateトークン(SKATE)と次のMAP Protocol(MAPO)の報酬プールは、いずれも数時間以内に満額が請求されました。既に11のパートナーが控えており、今後も活発なキャンペーンが期待されます。

また、D’CENTはキャンペーン終了時に仮想通貨エアドロップを予定。特に生体認証ウォレットの保有者は最高の報酬ティアを受け取ることが可能です。

暗号ポートフォリオ管理

D’CENTアプリウォレットは、保有資産のポートフォリオ管理機能を提供。複数の法定通貨でトークン価値を確認できます。

CoinMarketCapやCoinGeckoのデータを利用して、最新のトレンドや価格チャートをチェックすることも可能です。

さらに、ビットコインの優位性や恐怖と貪欲指数といった市場全体の動向も表示。投資判断に役立つ情報を幅広く得られます。ハードウェアウォレットの管理だけでなく、市場分析も包括的に行える点が大きな特徴です。

Web3統合

D’CENTモバイルアプリは、Web3の新たなディスカバリータブを導入。これにより、分散型ブラウザを通じてさまざまなdAppsにアクセスできます。

主な機能は以下のとおりです。

  • メタマスクとWallet Connect:ウォレットを統合し、トップの仮想通貨プレセールや多様なdAppsに接続可能。
  • ブロックチェーン固有のポータル:Astar Networkなどの特定のブロックチェーンポータルに接続。トークンのステーキングなどが可能。
  • 暗号オンランプ:MoonPayなどを利用して法定通貨で仮想通貨を購入。
  • DEXsとDeFi:UniswapやCompoundといったプラットフォームで、仮想通貨の取引やステーキング、レンディングが可能。
  • NFTマーケットプレイス:OpenSeaなどのマーケットプレイスを通じてNFTを売買・探索。

ユーザーはWeb3の世界をアプリ内で一元的に体験できます。

D’CENTウォレットは信頼できる?

ハードウェアウォレットを利用する最大の理由は、ソフトウェアウォレットを超える安全性。D’CENTウォレットは、仮想通貨を預けるに足る信頼性があると言えます。

D’CENTウォレットを運営する韓国のサイバーセキュリティ企業IoTrustは、ブロックチェーンとセキュリティの専門家チームによって設立。主要な韓国のベンチャーキャピタルから800万ドル以上を調達しています。

セキュリティ対策の詳細は以下のとおりです。

  • CC EAL5+チップ:D’CENT生体認証ウォレットとカードウォレットは、最高水準のセキュリティチップを搭載。不正な操作を検知すると自動でリセットする仕組みなどを備えています。
  • 秘密鍵:秘密鍵はデバイス上で生成。決してインターネットに接続されません。
  • ファームウェア認証:起動時にファームウェアの真正性を毎回確認します。
  • パスフレーズ:24単語のシードフレーズに、ユーザーのみが知る25番目のパスワードを追加できる機能も提供しています。

独立監査機関によるセキュリティレビューでも、重大な問題は発見されていません。

D’CENTウォレットの手数料と価格

ディセントのロゴ

D’CENTウォレットの料金体系は非常にシンプル。ハードウェアウォレットは一度購入すれば、その後のサブスクリプション料金や追加費用は一切かかりません。モバイルアプリのソフトウェアウォレットは無料で利用できます。

D’CENTウォレットの価格は以下のとおりです。

ウォレット購入後にかかる費用は、D’CENT Walletアプリに内蔵されたトークンスワップ機能を利用する際の手数料のみです。

手数料はD’CENTウォレットに支払われるのではなく、提携している流動性プロバイダー(Changelly、ChangeNOW、OKXなど)に支払われます。

トークンスワップにかかる主な手数料は以下表のとおりです。

手数料の種類 料金
Changellyプロバイダー手数料 0.25%
ChangeNOWプロバイダー手数料 変動
OKXプロバイダー手数料 変動
ブロックチェーン手数料(ガス代) 変動
スリッページ カスタマイズ可能

D’CENTウォレットアプリでは、許容できる最大スリッページを設定可能。意図しないコストの発生を防ぐことができます。

D’CENTウォレットのユーザー体験

D’CENTウォレットのモバイルアプリは、iOSとAndroidで利用できる多機能プラットフォーム。2025年にインターフェースが一新され、仮想通貨管理とWeb3ハブを統合したワンストップサービスとなりました。

アプリはモダンで洗練されたデザインが特徴。カスタマイズ性の高いダッシュボードでは、資産配分チャートや複数の法定通貨での価値表示が可能です。

特に、ハードウェアウォレットとソフトウェアウォレットを色分けして独立管理できる点は、ユーザーから高く評価されています。

唯一の欠点は、ネイティブなステーキング機能がないことです。ステーキングにはCompoundなどの外部dAppへの接続が必要です。

D’CENTウォレットのロードマップ

ディセントロードマップD’CENTウォレットは、2018年の生体認証ウォレットの発表以来、継続的に機能や新製品を追加。今後も以下のような計画が進行中です。

  • 多言語対応:現在、英語、韓国語、日本語、スペイン語、ポルトガル語に対応。将来のファームウェアアップデートで、さらに多くの言語を追加する予定です。
  • ユーザーエクスペリエンスの改善:最近モバイルアプリのインターフェースを一新。シームレスな使い心地を実現しました。
  • BRC-20統合:ビットコインブロックチェーン上の新しい標準であるBRC-20に対応するべく開発を進行。ユーザーはBRC-20標準から生まれる有望なアルトコインをウォレットに保管できるようになります。
  • Web3コラボレーションの拡大:「Tap That Drop」キャンペーンを通じて、新しいトークンやdAppsとの提携を継続していく計画。ユーザーはWeb3の世界で収益を得るための、より多くの方法を得られます。

新機能の利用やセキュリティアップデートのためには、定期的なD’CENT Walletのファームウェアアップデートが不可欠。公式サイトをこまめに確認することが大切です。

D’CENTウォレットの始め方【初心者ガイド】

D’CENTウォレットのセットアップはシンプル。D’CENT Walletの使い方を、以下の手順のとおり解説します。

  1. デバイスの準備
  2. セキュリティの設定
  3. シードフレーズの記録
  4. アプリと接続

D’CENT Walletは、ビットコインウォレットとしても最適。以下、ステップを詳細に解説します。

①:デバイスの準備

ディセントウォレット①まず、D’CENTのウェブサイトでウォレットを購入。手元に届いたら、右側の電源ボタンを長押しして電源を入れましょう。

次に、言語を選んで「ウォレットを作成」をタップしてください。

②:セキュリティの設定

ディセントウォレット②安全のために、4〜8桁のPINコードを設定。次に、画面の指示に従って指紋を登録すれば、生体認証でのロック解除が可能になります。

③:シードフレーズの記録

ディセントウォレット③画面に24単語のシードフレーズが表示。ウォレットを復元するために必要なので、必ず紙に書き留めてください。

このフレーズは、誰にも教えず、安全な場所に保管しましょう。書き留めたら、正しく記録できたかデバイスで確認します。

④:アプリと接続

ディセントウォレット④スマートフォンにD’CENTモバイルアプリをダウンロード。アプリを開いて「ウォレットを作成」から「生体認証ウォレット」を選択し、パスワードを設定してください。

その後、デバイスの「設定」からBluetoothを有効にし、アプリと接続すれば完了です。

D’CENT Walletは多様なアルトコインに対応しており、イーサリアムウォレットとしても使い勝手が良くおすすめです。

D’CENTウォレットのカスタマーサービス

D’CENTウォレットのカスタマーサポートは限定的。他の主要なハードウェアウォレットに比べて機能が少ないのが現状です。ライブチャットはなく、サポートは韓国標準時の月~金曜日、午前10時~午後5時30分のみ利用可能です。

一方で、充実したオンラインナレッジベースが提供。ウォレットの機能や設定方法について詳細に解説されており、多くの問題はユーザー自身で解決できます。新規ユーザー向けにはWiki形式の包括的なチュートリアルも用意されています。

サポート時間外でも、ユーザーは自分でトラブルシューティングを行うことが可能です。

まとめ

D’CENTウォレットは、初心者から経験者まで幅広い年齢層に適した、信頼性と機能性を兼ね備えたハードウェアウォレットです。

非常に多くのトークンにも対応。改ざん防止機能を持つCC EAL5+セキュリティチップを使用しています。さらに、生体認証によって、安全かつスムーズに取引の署名が可能です。

Web3ウォレットとしても最適なD’CENTウォレットは、優れたハードウェアウォレット。生体認証ウォレットまたはカードウォレットを手に入れて、安全で便利な仮想通貨管理を始めましょう。

D’CENTウォレットに関してよくある質問

D’CENTウォレットは安全ですか?

D’CENTウォレットは安全。韓国のサイバーセキュリティ企業が運営しており、生体認証ウォレットとカードウォレットは最高水準のセキュリティチップ「CC EAL5+」を搭載しています。

D’CENTウォレットはどのトークンに対応していますか?

D’CENTウォレットは、85以上のブロックチェーンにわたる4500種類以上の仮想通貨に対応しています。ビットコイン、イーサリアムといった主要なアルトコインやミームコインに対応。すべてのEVM互換トークンをサポートしています。

D’CENTウォレットは使いやすいですか?

D’CENTウォレットは使いやすい設計。生体認証ウォレットでは指紋認証で安全に取引に署名でき、直感的なモバイルアプリで資産を一元管理できます。複数のウォレット間で簡単にトークンを移動可能です。

D’CENTウォレットは非管理型ウォレットですか?

D’CENTウォレットは最大限の安全性を追求したコールドウォレット。ウォレットのシードフレーズは完全にプライベートであり、独自のパスワードを組み合わせることでさらにセキュリティを高められます。

参考資料

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Hideaki S.
暗号資産アナリスト
Crypto News Japan専属ライター兼暗号資産アナリスト。FX取引の経験を基に、2020年から仮想通貨投資を開始。
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